さつまいもは、肥料が多すぎる土よりも、排水性がよく適度にやせた土で育ちやすい野菜です。
土作りで重要なのは、窒素肥料を控えること、土の酸度を整えること、そして根が太りやすい高畝を作ることです。
植え付けの2〜3週間前から準備を始めれば、初心者でも失敗を減らせます。
さつまいもに適した土の状態とpHの目安
さつまいもに向くのは、水はけがよく、掘ったときに土がほろほろと崩れるような土です。
粘土質で水がたまりやすい畑では、いもが太りにくく、形が悪くなったり腐ったりする原因になります。
土の酸度は、pH5.5〜6.5程度が目安です。
さつまいもは比較的酸性の土に強く、石灰を大量に入れて強く中和する必要はありません。
むしろ石灰を入れすぎると、土がアルカリ性に傾き、養分を吸収しにくくなる場合があります。
植え付け前に用意するもの
- 土壌酸度計、または市販のpH測定キット
- 完熟たい肥
- 苦土石灰または有機石灰(必要な場合のみ)
- スコップ、鍬、レーキ
pHを整える手順
まず、植え付け予定地の土を数か所から取り、酸度を測ります。
pH5.5以上なら、基本的には石灰を入れなくても問題ありません。
pH5.0以下の強い酸性土なら、苦土石灰を1平方メートル当たり50〜100gを目安にまき、深さ20〜30cmまでよく混ぜます。
石灰をまいた後は、できれば1〜2週間あけてから肥料を入れます。
石灰と肥料を同時に大量に混ぜると、肥料成分が失われることがあるためです。
家庭菜園で前年に石灰を入れており、pHが適正範囲なら追加は不要です。
肥料は控えめが基本|入れすぎると「つるぼけ」になる
さつまいもの土作りで最も多い失敗は、肥料の入れすぎです。
特に窒素成分が多いと、つるや葉ばかりが伸びて、地下のいもが太らない「つるぼけ」になりやすくなります。
葉が濃い緑色で大きく茂っているのに、収穫すると小さいいもばかりという場合は、肥料過多が疑われます。
元肥の量の目安
植え付けの1〜2週間前に、1平方メートル当たり完熟たい肥を1〜2kgほど入れます。
たい肥は土をふかふかにし、水はけと保水性を整えるために使います。
未熟なたい肥は根を傷めたり、害虫を呼んだりすることがあるため、必ず完熟品を使ってください。
化成肥料を使う場合は、窒素が少なめでリン酸・カリが多い野菜用肥料を選びます。
量は1平方メートル当たり50〜80g程度で十分です。
肥料袋に「根菜用」「いも類用」と表示されたものでも、窒素成分が高い場合は量を控えます。
- 元肥:完熟たい肥1〜2kg/1平方メートル
- 化成肥料:50〜80g/1平方メートル
- 肥料を混ぜる深さ:15〜20cm程度
- 追肥:基本的には不要
前年に野菜を育てて多く施肥した場所や、鶏ふん・油かすを使った直後の畑では、化成肥料を入れず、たい肥だけで始める方法もあります。
鶏ふんや油かすは窒素が効きやすいため、さつまいもでは多用しないことが大切です。
畝づくりの手順|高さ25〜30cmの高畝で根を太らせる
さつまいもは、地中に水がたまりにくい環境でいもが育ちます。
平らな場所に植えるよりも、高さのある畝を作るほうが排水性が上がり、収穫時にも掘りやすくなります。
特に雨が多い地域や粘土質の土では、高畝が効果的です。
畝の基本サイズ
- 畝の高さ:25〜30cm
- 畝の上部の幅:30〜40cm
- 畝全体の幅:60〜70cm
- 畝と畝の間:50〜60cm
- 苗の株間:30〜40cm
畝づくりの手順と注意点
石灰やたい肥、肥料を混ぜたら、土を深さ25〜30cmほど耕します。
大きな石、固い土の塊、古い根は取り除いてください。
石が残ると、いもが二股・三股に分かれる原因になります。
次に、通路の土を両側から中央へ寄せ、高さ25〜30cmの山形に整えます。
表面をレーキでならし、雨水が流れるように畝の肩を少し傾斜させます。
畝を作った直後に植えず、雨が降った後や水を軽くまいた後に土が極端に沈むようなら、もう一度土を寄せて形を整えましょう。
苗は、地域の気温が安定して霜の心配がなくなってから植え付けます。
植え付け時期は地域や品種で異なりますが、地温が十分に上がらないうちに植えると活着が遅れます。
植え付け後は、苗の周囲を手で軽く押さえ、根元にたっぷり水を与えます。
まとめ
さつまいもの土作りでは、pH5.5〜6.5を目安に酸度を整え、肥料は控えめにします。
完熟たい肥で土を改良し、窒素の多い肥料を使いすぎないことが、つるぼけ防止のポイントです。
さらに、高さ25〜30cmの畝を作れば排水性が高まり、形のよいさつまいもを収穫しやすくなります。
植え付け前に土の状態を確認し、余裕をもって準備を進めてください。



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