さつまいもは比較的育てやすい野菜ですが、高温多湿、連作、傷のある苗や芋などが重なると病気が出やすくなります。
葉の変色だけなら肥料切れや害虫の場合もありますが、つるの付け根が変色している、掘った芋に黒いくぼみがあるといった症状は病気を疑う目安です。
症状が出る場所ごとに確認し、早めに株を分けて対応しましょう。
葉に出るさつまいもの病気と見分け方
モザイク病:葉の濃淡や縮れが目立つ
モザイク病は、葉に濃い緑と薄い緑がまだらに現れ、葉が縮れたり小さくなったりする病気です。
生育初期から症状が出ると、つるの伸びが悪くなり、芋の肥大にも影響することがあります。
アブラムシなどがウイルスを媒介する場合があるため、周囲の株にも広がりやすい点が特徴です。
肥料不足による黄化は、古い葉から全体的に薄くなることが多く、葉脈に沿った不規則な濃淡や縮れは出にくい傾向があります。
モザイク病が疑われる株は、抜き取って畑の外で処分します。
抜いた株を畝の脇に放置したり、堆肥に混ぜたりしないでください。
葉の斑点病:褐色の斑点が増えて葉が枯れる
葉に直径数mm程度の褐色~黒褐色の丸い斑点ができ、しだいに数が増える場合は斑点病の可能性があります。
雨が続いた後や、株間が狭く風通しが悪い場所で発生しやすい症状です。
斑点の周囲が黄ばんだり、葉が早く枯れ込んだりすることもあります。
まず、症状の強い葉を清潔なはさみで切り取り、畑から持ち出します。
つるが混み合っている場合は、地面に密着した古い葉を整理して風を通します。
葉が濡れた夕方に水やりをすると病気が広がりやすいため、水やりは株元へ朝に行うのが基本です。
つる・株元の異常で疑う病気
つる割病:下葉が黄化し、つるがしおれる
つる割病は土の中に残った病原菌によって起こり、はじめは下葉が黄色くなり、暑い日中にしおれて朝夕に回復するような状態が見られます。
進むとつる全体がしおれ、株元付近の茎を縦に割ると、内部の導管が褐色になっていることがあります。
乾燥によるしおれは、水やり後に比較的早く回復し、茎の内部まで褐変していない点が見分ける目安です。
つる割病が出た株は治療が難しいため、周囲の土ごと広げないよう注意して抜き取り、処分します。
同じ場所での連作は避け、少なくとも数年間はさつまいもや近縁作物を続けて植えないようにします。
基腐病:株元が黒褐色になり、芋まで腐る
基腐病では、地際の茎が黒褐色になって傷んだり、つるの先から急にしおれたりします。
掘り上げると、芋の表面や内部が褐色~黒褐色に腐敗していることがあります。
雨の後に畝へ水がたまりやすい畑、感染した苗を使った場合などで問題になりやすい病気です。
発病株を見つけたら、隣の株も株元と芋を確認します。
収穫時には、腐敗した芋やつるを健全な芋と同じコンテナに入れないことが重要です。
苗は見た目が健全なものを選び、植え付け前後に畑へ持ち込む刃物やコンテナの土を落としておくと、持ち込み・持ち出しのリスクを減らせます。
芋に出る病気と収穫・保存時の対策
黒斑病:黒いくぼみや硬い黒変ができる
黒斑病は、芋の表面に黒色のくぼんだ斑点ができ、進むと内部まで黒く変色する病気です。
掘るときの傷、害虫による食害跡、貯蔵中の傷口などから発生しやすくなります。
表面だけの泥汚れとは異なり、洗っても取れない黒い病斑があり、周囲がへこんでいる場合は注意が必要です。
病斑のある芋は健全な芋と分け、保存用には回さないでください。
収穫は土が極端に湿っていない日に行い、スコップを株から20~30cmほど離して入れると芋を傷つけにくくなります。
掘り上げた芋は強くこすって洗わず、土を軽く落として数日乾かしてから保存します。
軟腐病:水っぽく軟らかくなり、強い臭いが出る
軟腐病になると、芋が水っぽく軟らかく腐り、汁が出たり臭いが強くなったりします。
傷ついた芋を高温多湿のまま保管したときに起こりやすい症状です。
1個の腐敗を放置すると、接触した芋にも広がることがあります。
- 収穫時に傷、ひび、腐敗のある芋を選別する
- 保存中は週に1回ほど確認し、軟らかい芋をすぐ取り除く
- 濡れた新聞紙や密閉袋に入れたまま保管しない
- 低温障害を避け、一般に10℃前後を下回りにくい場所で保存する
まとめ
さつまいもの病気は、葉ならモザイクや褐色斑点、つるなら黄化・しおれ・株元の褐変、芋なら黒いくぼみや水っぽい腐敗を確認することで見分けやすくなります。
病気が疑われる株や芋は早めに分け、畑や保存箱に残さないことが基本です。
連作を避ける、排水のよい畝を作る、傷のない苗と芋を扱うという3点を続けると、発生リスクを下げられます。


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